一井 亮治

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      答えです。
      どうでしたでしょうか v^^

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      一井 亮治
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        イチカワ・タイムス十月号もお待ちしてますよ^^v

        一井 亮治
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          間違い探し(3箇所)五枚目です^^

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          一井 亮治
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            答えです。
            どうでしたでしょうか v^^v

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            一井 亮治
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              間違い探し(3箇所)四枚目です^^

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              一井 亮治
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                答えです。
                どうでしたでしょうか^^

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                一井 亮治
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                  間違い探し(3箇所)三枚目です^^

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                  一井 亮治
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                    答えです。
                    どうでしたでしょうか^^v

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                    一井 亮治
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                      間違い探し(3箇所)二枚目です^^

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                      一井 亮治
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                        答えです。
                        どうでしたでしょうか^^b

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                        一井 亮治
                        参加者

                           第四十話

                           夏休みの終わりが迫っている。今、桜子が必死に取り組んでいるのは、自由研究である〈税と歴史〉の論文だ。
                           サクラとの最終決戦で、桜子を助けてくれた英霊達に応えるべく、自身が考える税の考えをまとめているのだ。
                           無論、セツナが提唱した無税国家論についても考慮を重ねている。もっとも考えれば考えるほど悩ましいのが、税金だ。ゆえにペンも一筋縄では進まない。
                           それでも桜子には、確信があった。
                           ――税制こそが国を救い、もしくは滅ぼす。
                           直接税に間接税、法人・個人・消費などあらゆる活動にかかる税――かつては窓の大きさや間口の広さに課税され、それが経済活動の実態を歪めてきた側面は否めない。
                           だが、桜子は思う。
                          「税を申告し払うことで。社会の一員になりたい」
                           もっとも現行の税に多くの問題をはらんでいるのも事実だが、それは知恵でなんとかなるはずだと睨んでいる。
                           やがて、シャウプ勧告の翻訳本を閉じた桜子は、机上で輝きを見せるクリスタルに目を細めながら言った。
                          「代表なくして課税なし。税とは政府と国民が交わした約束なり……皆、正しいんだろうけど、私にとってはケースバイケースよ」
                           その後、桜子は黙々と持論を書き連ね、遂にこれを一本の論文に仕上げた。
                           ――落ちこぼれの私だけど、それでも家族と同じ職を仕事にしたい。これは、その第一歩。
                           桜子は拙いながらも必死に考えた論文を兄の志郎に見せた。しばし真剣に読み込んでいた志郎だが、やがて、桜子に指でオッケーマークを作る。
                          「桜子、バッチリだよ。とっつきにくいが掘り下げれば奥が深いのが税金だ。試験の方も俺が応援するよ」
                          「ありがとう志郎兄……」
                           安堵する桜子だが、そこへクリスタルが光を放ち始めた。どうやらまた時空課税上で問題が起こったようである。
                           その輝き度からして、シュレや京子達では手に負えない物件らしい。
                          「オーケー、じゃぁ行こうか?」
                           やれやれと肩をすくめ立ち上がる志郎に、桜子はうなずきクリスタルを取る。互いに目配せを交わした後、二人は次なる時空へと飛び立っていった。(了)

                            オワタ……

                          一井 亮治
                          参加者

                             第三十九話

                             気がつくと桜子は、見知らぬ草原に立っている。目の前にいるのは、すっかり変わり果てたボロボロのセツナだ。
                            「セツナ、もうあなたに勝ちはない。クリスタルはまた見つければいい。だから、負けを認めなさい。でないとあなたの身が持たないわ」
                             救いの手を差し伸べる桜子に、ついにセツナは初めて負けを認めた。ゴーストとして格の劣る人間に首を垂れたのである。
                             ――これでいい。あとはセツナの理想をこの私が引き継げば……。
                             そう考えた矢先、突如としてセツナが苦しみもがき始めた。その様子は明らかに尋常ではない。
                            「セツナ。一体、どうしたのよっ!」
                             叫ぶ桜子に構わず、セツナのボディがバラバラに砕けや、最後にはその身もろとも粉砕してしまった。
                             ――一体、何が……。
                             驚きを隠せない桜子だが、その目の前に一人の人影が現れた。見たところ桜子と背格好の変わらない娘である。
                            「全く役に立たないゴーストね」
                             その娘は吐き捨てるように罵るや、かすかに微動を残すセツナの頭部を足で踏み躙り粉々に潰した。
                            「ちょっと、何もそこまでしなくてもいいじゃない!」
                             憤る桜子にその娘は「あら随分とお優しいのね」とケラケラ笑っている。問題はその容姿である。あまりに桜子に酷似しているのだ。そこにピンと来た桜子が言った。
                            「あなたが黒幕の未来の政府極秘調査機関、通称、サクラG課の設計者ね。名前は確か、源サクラ」
                            「えぇ、お察しの通りよ。源桜子さん……いや、こう言った方がいいかしらね。我がご先祖様」
                            「まさか私の子孫が、セツナの設計者とは思わなかったわ」
                             身元を明かし合った二人は、互いを警戒しつつ、出方を伺っている。
                            「ふっ、時空課税局も困ったものよ。他のメンツならともかく、私の先祖を使うとはね。殺しでもすれば、この私の存在が消えてしまう。うまく考えたものよ」
                            「サクラ、あなたはセツナに無税国家構想の理想を植え付け、その行動のタガを外した。過激ではあったものの、セツナには筋の通った思想があったわ。けどあなたの目的は分からない。一体、何を求めて……」
                            「気紛れよ」
                             何でもないことのように話すサクラに桜子は、我が耳を疑う。サクラはさらに続けた。
                            「桜子。アンタにいいことを教えてあげる。この世は結局、使う側と使われる側に分かれるのよ。私は常に歴史の勝者側に張る。それが私の目的。つまり、歴史の勝敗を賭けた娯楽ギャンブルなの」
                             ゾクゾクとするような笑みで語りかけるサクラだが、その次の瞬間、その顔は大きく歪むことになる。桜子がサクラの頬を思い切り引っ叩いたのだ。
                            「ふざけないで! 歴史を弄ぶ? 冗談じゃないわ。私はこれまで多くの偉人と接してきた。善悪は問われど誰もが真剣に向き合っていたわ。それを賭け事の娯楽にするっていうの!?」
                            「へぇ……結構なご挨拶じゃない」
                             罵る桜子にサクラは、完全に怒り心頭だ。指で合図を送るや、周囲に武装集団を出現させた。どうやら人間ではなくゴーストで構成されているようである。
                            「この娘をひっ捕えなさい!」
                             サクラの命令にゴーストは、桜子を取り囲む。だが、桜子は透かさず包囲を突破し、脱走を試みた。
                             必死に抵抗した桜子だったが、多勢に無勢は免れない。ついに武装ゴーストに取り押さえられてしまった。地面に押さえつけられた桜子が見上げると、目の前にはサクラが立っている。
                            「フフッ、これはさっきのお・か・え・し」
                             そう言い放つや、サクラは桜子の無防備に晒された腹に強烈な蹴りを叩き込んだ。
                            「うっ……」
                             柔らかい腹に内臓をえぐるようなえげつない蹴りをモロに受けた桜子は、呼吸すらままならない苦しみに悶絶している。
                            「あーら、足ではしたなくてゴメンナサイ」
                             上からケラケラと嘲笑うサクラの勝ち誇った顔が桜子は、悔しくて仕方がない。涙すら滲ませる桜子だが、そこに変化が現れた。サクラの武装ゴーストが、周囲に突如として現れた武士達に戸惑いを覚え始めたのだ。
                             そこへ志郎の声が響く。
                            「待たせたな、桜子」
                             見ると志郎の背後には、これまで時空の旅でともに戦った藤原鎌足や藤原道長、源義経、楠木正成、織田信長、豊臣秀吉ら英霊が応援に駆けつけている。
                             この錚々たる様にさしものサクラも、声を失った。やがて、武装ゴーストと英霊達が乱戦に入る中、さらに応援へと駆けつけた京子がオニヅカを連れて叫んだ。
                            「桜ちゃん。アレっ!」
                             桜子は京子達の指差す方向に目を向けると、何やら輝きを秘めたツイスターが何かを形成し始めている。
                             その様相からして新たなクリスタルのようである。それを見た桜子は腹を抱えつつ、ゆっくり起き上がり、光のツイスターへと向かった。
                             だが、サクラもこれに気付いたようだ。二人はお互いの身をぶつけ合いながら、その光のツイスターへと飛び込んだ。
                             その瞬間、パッと眩い光が一面を照らし、その輝きはやがて一つの結晶を形成し始めた。まさにクリスタルである。そして、それは桜子の手に握られていた。
                            「そんなバカなっ……」
                             サクラが強引に桜子からクリスタルを奪おうとするものの、クリスタルが放つ光に弾かれ吹き飛ばされてしまった。
                            「どうやら新たな歴史の監視人が決まったようだな」
                             歩み寄る志郎や京子達を前にした桜子は、照れつつも掌におさまった新たなクリスタルに目を細める。
                             そして、英霊達を背後に地面に叩きつけられたサクラに言った。
                            「サクラ、あなたの負けよ」
                             
                             
                             
                             やがて、一帯が秩序を取り戻す中、英霊が一人、また一人と姿を消していく。無論、サクラは駆けつけた時空課税局員に連行されていく。京子とオニヅカも同伴だ。
                             その後ろ姿を眺めながら、桜子は新たなクリスタルを握り締め考えている。
                            「どうしたんだよ桜子、今やお前が歴史の監視者だ。大いには無理だが、多少の干渉なら許される立場になったんだぜ。もっと誇らしくしろよ」
                            「そんなことできる訳ないでしょう。私みたいなただの小娘。むしろ重荷よ」
                             そう表情を困らせつつも、桜子の表情はどこか明るい。それは今まで歴史の傍観者に過ぎなかった立場から、一歩踏み出したささやかな喜びだった。

                            一井 亮治
                            参加者

                               第三十八話

                               秀吉の最期を看取った桜子は、クリスタルとともに逃げ去ったセツナとその後を追う京子を追った。その傍らには、志郎とオニヅカを伴っている。
                               向かった時空は、大阪夏の陣だ。徳川軍により周囲が包囲される中、皆と合流した京子は事情を説明した。
                              「どうやらセツナ一派は、前回の時空テロ失敗や秀吉らに受けた致命傷で、満足に組織を運営出来ていないようよ。時空課税庁への投降や密告も相次いでいる」
                              「俺が受けた情報も同じだ。だが、クリスタルを手中に置いている。そんな中、起死回生の一手を大阪城に籠城する淀君と秀頼公に求めたってことだろう」
                               オニヅカの分析に皆もうなずいている。つまり、外堀は完全に埋まったのである。
                              「後はセツナとクリスタルの回収、そして残党の一掃だ。一気に片付けよう」
                               声をあげる志郎に皆が手を出しタッチを交わすと、それぞれの持ち場へと散った。
                               ちなみに桜子の担当は、家康の本陣である。
                              「時空の旅人とやら、話は信長公や秀吉公から聞き及んでおる。要はセツナとやらの対処にあたりたい、ということだな。よかろう。その自由を許そうではないか」
                               納得を見せる家康に桜子は、頭を下げた。とそこへ突風が抜け一枚の紙切れが吹き飛んだ。滑稽なのは、それを見た家康だ。まさにそれが命であるが如く、必死に飛び込んでその紙切れを掴んだのだ。その下が崖地であるとも知らず、である。
                               当然、家康は足元を崩し、崖へと落ち掛ける。だが、それを桜子が間一髪で手を差し伸べ、何とか大事に至らずに済んだ。
                               間近で見ていた家臣団は、たまったものではない。ほっと安堵のため息にくれるとともに、紙切れ一枚に必死になる家康のケチっぷりに呆れ返っている。桜子も同様だ。
                               だが、そんな周囲の者どもに恥じることなく、家康は言い切った。
                              「ワシはな。これで天下を取ったのだ」
                               確かに事実だろう。とかく家康はケチだった。関ヶ原の戦いでは、八百万石という広大な版図が転がり込んできたにも関わらず、家康はこれをほぼ直轄領とした。
                               元同僚の前田利家に百万石を与え、子飼いの家臣である加藤清正や石田三成に何十万石もを手放した豊臣秀吉とは真逆の施策だ。
                               もっとも、この家康のケチさが、結果的に江戸時代を約二百七十年年も持たせる大きな要因となった。
                               その意味において、家康は一代限りの秀吉とは違い、天下のはるか先まで見ていたことになる。
                               
                               
                               
                               さて、戦さの方であるが「撃ち方始め」の号令とともに大筒が火を吹き、一帯は血みどろの壮絶な斬り合いへと発展した。
                               だが、いかに大阪方が健闘しようとも多勢に無勢は免れない。ついには真田丸も陥ち、残すは天守のみとなった。
                              「よし、時空の旅人とやら。機会をやろう。天守へ赴き淀君や秀頼公の背後にいるセツナとやらと交渉して参れ。もし、条件を飲むならその処遇は考えてやってもよい」
                              「ありがとうございます」
                              「礼には及ばん。そなた一人では心元なかろうから護衛をつけてやる」
                              「いえ、私一人で結構です」
                               これには、流石の家康も驚いている。
                              「桜子とやら、そなたも見たであろう。あれが戦場だ。おなごが交渉に行ったとて無事に帰って来れる保証はないのだぞ」
                               戦さ場での掟を懇々と説く家康だが、桜子は聞く耳を持たない。むしろあまりの頑固さに「なら勝手に致せ」と家康自身が突き放してしまった。
                               意を決し合戦場から天守へ一人で向かう桜子だが、その背中には微塵の恐怖も感じられない。
                               その様子をハラハラと眺めつつ、家康はつぶやいた。
                              「女ながらに大した肝っぷりだ。秀忠(家康の子)にもあの様にあって欲しいものだ」
                               
                               
                               
                               やがて、裸同然となった大阪城の前に立った桜子だが、要件を伝える間もなく固い城門が開いた。そこには、今や立場の垣根を超えた間柄である翔が待っている。
                              「待ってましたよ。センパイ」
                               翔は実に軽々しく応じるや、桜子を天守へと案内した。
                              「翔君、あんたは一体、どっちの味方なのよ」
                              「さぁ、ただ常に勝ち馬に乗るのがポリシーっすかね」
                               軽く笑う翔の案内の下、最上階へと向かった桜子を待っていたのは、クリスタルの負の側面に侵され青色吐息のセツナである。
                              「セツナ、あなたにそのクリスタルは捌けない。それは母体にプラスだけでなくマイナスの影響も及ぼすのよ」
                              「ええい黙れっ、貴様の様な人間如きに我らゴーストの何が分かる。我らこそが崇高なる課税思想を、無税国家構想を叶えることが出来るのだ」
                              「その理想は、この私が引き継ぐわ」
                               これにはセツナも笑ってしまった。二十歳にも満たない小娘が国家論を引き継ぐと宣言してしまったのだ。
                               セツナは大いに笑いつつ、言った。
                              「とんだ余興だ。その自信はどこから来るのか」
                              「さぁ、ただこれだけは言えるわ。セツナ、あなたには無理なのよ。なぜならそうプログラムされているから」
                              「どういうことだ?」
                               怪訝な表情を浮かべるセツナに桜子は、真実を述べた。初めこそ戯言と軽く聞き流していたセツナだが、話が佳境に入るにつれその顔色は変わっている。
                               やがて、説明もそこそこに「黙れ忌々しい小娘め!」と吠えるや、クリスタルを握り締め、床に叩きつけてしまった。その途端、クリスタルは木っ端微塵に飛散し、まばゆい光に包まれた。

                              返信先: 九月到来 #3017
                              一井 亮治
                              参加者

                                答えです。
                                どうでしたでしょうか^^b

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                                一井 亮治
                                参加者

                                   第三十七話

                                   桜子が飛ばされた時空、それは豊臣政権の末期である。そこで桜子は京子と再会を果たした。
                                  「京子。一体、どうなってるの!?」
                                   困惑する桜子に京子が事情を説明した。
                                  「すべての始まりは秀吉様の子種なのよ。セツナは明らかにここに細工を施した。本来なら生まれてきたかもしれない子孫の種を根こそぎ奪ったの」
                                  「それって立派な歴史改変じゃ……」
                                  「まぁね。ただ厄介なのは、実際の正史もそう変わりはないってことなのよ」
                                   京子がいう通り、〈戦国時代の三英傑〉として並び称される家康は十六人、信長に至っては二十人以上の子をもうけたのに比して、秀吉の実子は男子三人女子一人であり、三男の秀頼以外は幼少で短い生涯を閉じている。
                                   ただ、子種の無さを背景に、セツナが秀吉を焦らせ、暴君へと駆り立てた点は否めない。
                                  「秀吉様に利休様を斬らせ、朝鮮に出兵し、国を疲弊させ晩節を汚させたじゃん。その背後にセツナがいる。そこで生まれた多くの血が、現代の大阪城を起点にした時空テロに繋がっている」
                                  「じゃあ京子。一体、どうすれば……」
                                  「秀吉様とセツナを切り離すしかない」
                                   ここで京子は一枚のタブレットを取り出し、画面を開いた。そこには、克明な地図とともに作戦の概要が記されている。
                                   それを丹念に読み込んだ桜子は、思わず唸った。
                                  「よく出来てるよね。この作戦」
                                  「あぁ、立案はあのオニヅカだよ。頭だけは回るんだよ、あの悪党っ!」
                                   京子は怒り気味にタブレットを戻すと、桜子と委細を詰め席をたった。
                                  「じゃぁ行こうか」
                                  「オッケーじゃん」
                                   二人はパンっとハイタッチを交わすと、作戦に則って秀吉のいる大阪城の天守閣へと忍び込んでいった。
                                   

                                   
                                   突如として現れた桜子と京子に病床に伏す秀吉以下、家臣団は驚きを隠せない。厄介なのは、背後にセツナと翔が控えている点だ。
                                  「曲者だ!」「ひっ捕えよ!」
                                   たちまち包囲される二人だが、桜子が叫んだ。
                                  「セツナ、アンタは時の権力者を手中に収め、一体、何を企んでいるの!?」
                                  「ふっ、決まったこと。この大阪城を起点に歴史の大転換を図るのよ。時空に散らばる全てアングラーマネーを集約し、クリスタルでマネーロンダリングと租税回避を行う」
                                  「それは、時空課税上最大の罰則よ!」
                                   吠える京子にセツナは構うことなく続けた。
                                  「無税国家構想、その大いなる理想を実現するには、多少の犠牲はつきものなのよ」
                                  「詭弁だわ」
                                   吠える京子だが、セツナは構うことなく二人を拘束した。桜子からクリスタルを奪うや、秀吉の元から連行し大阪城内の地下牢へと放り込んだ。
                                   冷たい地下牢に腰掛けながら桜子が囁く。
                                  「ここまでは、作戦通り?」
                                  「まぁね。あとはクリスタルへの仕込みがどこまで効果を発揮するかね」
                                  [778479500/1708246660.png]
                                   京子は、あぐらをかきながら腕をくみ考えている。そんな中、桜子は根本的な疑問を投げかけた。
                                  「ねぇ京子、そもそも歴史のクリスタルって、どうやって生まれ、どう形成されていったの?」
                                  「フフッ……実はあのクリスタルはね、三種の神器が歴史を歩んできた記憶が結晶したものなの」
                                  「三種の神器? あの草薙の剣と八咫鏡、八尺瓊勾玉とかいう皇位継承に出てくるトンデモ宝具?」 
                                  「そうよ。言わばこの日本が辿って来た記録媒体ってわけ」
                                   京子が語るトンデモ設定に桜子は、改めて驚いている。京子はさらに続けた。
                                  「今、セツナはこの大阪城を起点に桜子のクリスタルを解明し、その力を発揮させようとしているじゃん。それがどこまで上手くいくかで、作戦の成否は変わってくるはずよ」
                                  「なるほどね……」
                                   桜子は納得しつつも、さらに問いを重ねる。
                                  「ところであのセツナなんだけど、確かバグを侵され設計者の手を離れ闇の勢力との繋がりを持ってしまったのよね。けど、アングラーマネーを原資に無税国家構想を打ち立てようとしている」
                                  「そうなの桜ちゃん。それがセツナの厄介なところじゃん。徴税ゴーストとして崇高な理想を持ちながら、反社勢力と繋がりアングラーマネーを当てにしている」
                                  「うん。でさ、今回の全ての原因となった設計上のバグなんだけどね。実は設計者がわざと仕込んだもので、設計者自身が消失を装いながら、実はどこかで存命しているんじゃないかって……」
                                   この桜子の疑問に京子は、黙り込んでいる。やがてしばしの間の後、冷徹な目で桜子に問うた。
                                  「桜ちゃん、なぜそう思う?」
                                  「分からない。ただ私には偶然と振る舞いつつ、意図的に理想を実現させようという設計者の隠れた意地が感じられるのよ」
                                  「なるほど、ね……」
                                   京子はしばし沈黙の後、観念したように言った。
                                  「桜ちゃん。リクドウ・シックスは知ってるね?」
                                  「よく分かんないけど、未来の時空課税省庁を構築する組織思想でしょう」
                                  「えぇ、その中にあるべき課税社会をテクノロジーから実現する極秘の調査機関〈サクラG課〉が存在するの。そこを統括する人物こそが、今回の騒動を偶然を装って引き起こした張本人だと言われているわ。名前は……」
                                   京子からその名を知らされた桜子は、思わず我が耳を疑った。
                                  「え、じゃぁ京子。それって……」
                                  「そういうこと。それが全ての真相よ」
                                   桜子は驚きの声を上げるとともに、つぶやいた。
                                   ――道理で私に白羽の矢が立ったわけだ。
                                   とそこで巨大な音が鳴り響句。何事かと身構える桜子だが、どうやら京子の方は見当がついているようだ。
                                  「始まったわね」
                                   京子がほくそ笑む中、地下牢に駆け寄る人影が現れた。
                                  「翔君!?」
                                   驚く桜子に翔は、地下牢の鍵を開けるや二人を解放し天守閣へと促した。
                                  「二人とも早く出ろ!」
                                  「ちょっと翔君。一体、何がどうしたのよ」
                                   桜子が問うものの返答はない。だが、大体、何が起きているのか分かりかけていた。
                                   ――おそらくクリスタルに何かがあったんだ。
                                   やがて、天守閣についたところで桜子は、京子と目配せを交わす。そこにはクリスタルにあらかじめ仕込まれたプログラムが作動し、強烈な光となってセツナを巻き込んでいる。
                                   それを見た京子が言い放った。
                                  「セツナ、悪いけどそのクリスタルには細工を入れさせて頂いたわ。あなたに残された道は二つ。クリスタルとともに滅びるか、未来の時空課税局で裁きを受けるか、よ」
                                  「ふん、この私を騙したってことかい」
                                   セツナは、クリスタルからの分離を図るものの、一度ゴーストと融合したクリスタルからの解放は簡単ではない。
                                  「年貢の納め時よ。セツナ」
                                   勝ち誇る京子だが、セツナはここで意外な手を打って出た。何と融合したクリスタルから強引に分離すべく、自らのボディーを切り落としたのだ。
                                   肉を切らせて骨を断つセツナに京子は、意外さを隠せない。さらにセツナは、残る手で刀を引き抜き二人に反撃に打って出た。
                                   完全に無防備に晒された二人に鋭い刃が振り下ろそうとされた矢先、突如、セツナの動きが止まった。
                                   振り返ると、寝床にあった病状の秀吉がセツナを日本刀で斬り捨て立っている。
                                  「お……おのれ……」
                                   ふらつくセツナだが、なおもしぶとさを失っていない。翔の肩を借りるや、持てる全ての力を使って、異時空へ消えて行った。
                                  「逃さないわ!」
                                   京子は二人を追って異時空へと飛んでいく。一方の桜子は、セツナの刀を鞘に納めるや秀吉に頭を下げた。
                                  「あの……助けて頂いてありがとうございます」
                                  「礼には及ばん……そなたらは以前、会った時空の旅人であろう。どうやらワシは長い悪夢を見ていたようだ」
                                   やがて、秀吉は力尽きたのか、その場に崩れ落ちた。慌てた桜子が周囲の家臣団とともに秀吉を寝床へと運んでいく。
                                  「その方ら、しばし下がってはもらえないか」
                                   秀吉の申し出に家臣達は、驚き引き止めるものの、その意思は固い。やむなく周囲から皆が姿を消していく中、残された桜子は秀吉を枕元から座視している。
                                  「時空の旅人や……ワシには、どうしても敵わなかったものがある。分かるか?」
                                   弱々しい声を絞り出す秀吉に桜子は、首をかしげる。やがて、秀吉は小さく笑いながら言った。
                                  「信長様、だ。今でも夢に見る。草履取りから瓢箪片手に鷹狩りのお供をすべくよく走った。誰よりも可愛がってもらったが、ワシはその信長様が築いた織田家の天下を全て簒奪したのだ。だが、それでも信長様を超えることは出来なかった」
                                   果たして信長様はこんな自分をどう見ているのか、恐ろしくて仕方がないと述べる秀吉に桜子は、信長の最期を話した。
                                  「確かに無念がられてはおりました。ただ、次の天下人が秀吉様であることを告げると、実に楽しげに笑われましたよ。それでこそサルだ、と」
                                  「ほぉ。それは、まことか!?」
                                  「もちろん。まさに〈戦国〉だ、と」
                                  「そうか……流石は信長様だ。やはり、ワシでは勝てなかった。感服だ」
                                   敗北感に涙すら見せる秀吉に、桜子はフォローを入れる。
                                  「それでも秀吉様は、天下を取られたじゃないですか。租税上重要な太閤検地も見事にこなされた」
                                  「所詮は信長様の物真似に過ぎん。確かに追いつくことは出来たかもしれぬが、追い越すには至らなかった。それがワシの器の限界だ」
                                   ここで秀吉は大きく咳き込んだ。慌てて背中をさする桜子に、秀吉は絞り出すように囁いた。
                                  「お主が追っているあのセツナとやらだがな。あれは相当なやり手だ。今度は次の天下で己の野心を叶えるつもりだろう。おそらくそこが最終決戦となろう。覚悟してかかることだ」
                                  「はい。秀吉様もどうかお気をしっかり」
                                  「フフッ、露と落ち 露と消えにし 我が身かな なにわのことも 夢のまた夢……ワシの人生など本当に夢の中で見る夢だったんじゃないかと思う。人の一生など実に儚い」
                                   そう告げるや秀吉は永い眠りについた。享年六十二歳――まさに戦国を駆け抜け、天下に上り詰めた怒涛の一生であった。

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